忘れてはいけない同行援護の基本
まず、視覚に障害があるということは、周囲からの様々な情報の取得に障害があることを十分に理解をすることが非常に大切なこととなります。
同行援護をする上では、視覚障害者が取得することが困難である情報を提供するという事が最も大切となります。
また、支援をする内容に関しては、情報提供だけではなく、そこにおける安全性や、安心、自然さ、快適さも求められる事になります。これらを全て合わせたものが同行援護のサービス内容となるわけです。
また、同行援護を行う場合、同行をしている間は、視覚障害者の方が同行援護従業者の体の一部に触れています。
という事は、同行援護従業者の動きは全て視覚障害者の方へダイレクトに伝わるという事を覚えておかなければいけません。
その伝わった内容についても、情報の一部となるわけです。
例えば、同行援護を行っている時に、同行援護従業者が不用意な行動をとったり(視覚障害者に知らせずに向きをいきなり変えるなどのことを言います)すると、視覚障害者の方もそれに合わせて行動を変えることになり、不安を生じさせる結果にも繋がってしまいます。
ここは、同行援護をする上で、とても重要な点ですので、注意が必要となります。
同行援護の基本的な動きに関する技能として求められる事は、無駄な動きをする事がないよう配慮し、常に視覚障害者の方の立っている位置を把握しておくことが基本的な行動になります。
そして、同行援護中に環境の変化が生じる際は、適切な場所で一旦停止をして、情報を視覚障害者の方に伝えます。
また、ぶつかってしまいそうな場所においては、そこに触れて貰うようにサポートし、視覚障害者本人の動きを制限してしまわないという点となります。
同行援護中にしてはいけない事
同行援護をする上でも、してはいけない事があります。
まず、想像する限り、当たり前の事だといえますが、視覚障害者の方を引っ張ってはいけません。
同行援護をする際は、どうしても同行援護者側が、視覚障害者の前に立つ事が基本的なスタイルとなります。
同行援護従業者の急な動きは不安をあおる
同行援護従業者が前に立って歩いているからといって、視覚障害者の方を引っ張ってしまうと、視覚障害者自身の動きに制限がかけられる事になり、外出での行動に不安や恐怖感を持ってしまいます。
また、視覚障害者を前にして歩くような事は絶対にしてはいけません。後ろから誘導するという事は、同行援護の基本的な原則から大きく外れる事になります。
白状は視覚障害者の身体の一部
また、白杖を持っている方の場合は、白杖は視覚障害者の方自身の体の一部だと考えて行動するようにして下さい。
白杖を引っ張ったりする事は、視覚障害者自身の体を引っ張っている事と同じ事ですので、絶対に避けなければいけません。
また、同行援護をする上で、視覚障害者の方に一時的にその場で待機をして貰う必要がある場面があります。
この場合、何もない空間に放置されてしまっては、視覚障害者の方は自身がどこにいるのか把握できず、大きな不安に侵されますので、周囲の状況を伝えた上で、柱や壁がある場所へ誘導し、そこに手などで触れて貰って待って頂くようにします。
我々のような晴眼者(視覚障害者ではない方のこと)にとっては些細な事であっても、視覚障害者の方からすれば、このような状況下に置かれるという事を正しく認識した上で援護を行わなければならないという事なのです。