視覚障害者を持つ家族の気持ち
視覚障害者といっても、先天性視覚障害者のご家族と、中途視覚障害者のように、人生の途中において、いきなり疾患や事故などによって、視覚障害を持つ方のご家族もいらっしゃいます。
視覚障害は、完全に見えない人もいますし、見える事が困難な方まで様々です。
それに合わせてご家族がしっかり障害を受け入れ、フォローする必要性があります。
また、先天性の視覚障害の場合には、生まれつきという事になりますから、障害がある事についての知識をそこから身に着ける必要がありますが、中途視覚障害の場合、ある日突然失明をしたという方も少なくありません。
それ以外にも、徐々に病気(網膜色素変性症が代表なものになります)などによって視覚障害が悪化し、視覚障害者になる方もいらっしゃいますし、視覚障害者となることでこれまでの社会的地位を失う場合も十分に予想されます。
中途視覚障害の場合は、その障害を持った前の見えていた時の記憶があるかどうかによっても左右される事でしょう。
多くの場合が、視覚障害という肉体的打撃のみならず、精神的打撃がある事は計り知れません。
しかしながら、やはり家族がまず、その障害をいち早く受け入れる事が、視覚障害者ご自身の社会への復帰や参加が早まるという事は事実なのです。
また、視覚障害者が配偶者の場合や、親や子供の場合によっても家族・親族の受け止め方には違いが生じてきます。
以下では、視覚障害者となった方が、配偶者、子供、親の場合で、それぞれで見ていきましょう。
【配偶者】
配偶者が視覚障害者となった場合に、どちらとも見られるのですが、まずは、献身的にサポートを行い、経済的な支援から、精神的なサポートに至るまで行う場合と、視覚障害になった事によって経済面や、家族間での危機的な状況下に陥り、離婚に至る場合もあります。
違う行動ではありますが、両方同じ事がいえるのは、障害に対する理解が少ないという事です。
どちらの場合についても正しい理解が必要となります。
【子供】
先天性の視覚障害のある子供を持つ親の場合は、視覚障害に対する(見えない事)認識をしっかり持っているケースが多くなります。
一方、この理解が少ない場合のケースとしては、親が子供に対して、過保護になりがちであり、子供本人の自立心を育てる事を阻害する場合があります。
更に、自分のせいだと思ったり、どうしてうちの子はこんなに不憫なのだと思ってしまうケースも多くあります。
【親】
親が視覚障害になった場合、その子供がある程度年齢を重ねていれば、ある程度理解できているケースが多くなります。
しかし、子が社会人となって自分の家族を持っていたり、仕事などで遠方におり、直接近くでサポートができないという別の問題も出てきます。