椅子への誘導を理解して安全に
同行援護をおこなう上では、外出時に様々な椅子・座席を利用する場合があることでしょう。
例えば、飛行機の座席や、新幹線・電車であったり、交通機関や病院などの待合室、そして、椅子だけがある場合もありますし、椅子の前にテーブルが置かれていることもあります。
また、電車の車両によっては、対面式になっている座席もありますし、電車によって向いている方向を変える事ができる座席もあります。
このように、同行援護をする際の椅子・座席の利用について、どのように視覚障害者の方を誘導するべきなのかを解説したいと思います。
椅子・座席に誘導する際の基本的なこと
まず、基本的な事としては、椅子を利用する際に、その椅子に関する情報と提供しなければなりません。
「このような椅子ですよ」や、椅子の向きなどを正確にお伝えします。
視覚障害者の方はこのような情報がないと不安になってしまいますので、必ず伝えるようにしましょう。
丸椅子の場合
病院などの診察室などに置かれている事が多い丸い椅子です。
座る所の面を視覚障害者に確認してもらう為、手を導き、その上で座ってもらいます。
椅子の向きを変更する場合は、座ってからおこないます。
長椅子の場合
長椅子の場合は、状況によって他にすでに座られている方もいらっしゃることがあります。
基本的には、椅子に大して正面方向から接近し、椅子や、座られている方がいるかどうか、その位置などについて情報を伝えます。
また、背もたれが壁の場合は、壁自体に触れてもらうことによってぶつかりを防止します。
同じ長い椅子でも、ホールや映画館などのような椅子の場合は、場合によりますが、座る椅子の前に椅子がある場合、その前の椅子の背もたれに触れてもらいながら横歩きなどをして頂きます。
座る椅子の正面に停止して椅子によっては座席部分が上がっている場合もありますので、確認して頂きます。
この時、ホールや映画館などの場合は、視覚障害者がどの全体のどの位置に座っているかや、出口の方向までも具体的に情報提供するようにします。
座る面が四角い形で背もたれがある椅子
まず、座る面の1つの辺に直角に接近します。
この時、視覚障害者が椅子に近づくようにして下さい。
その後、背もたれと座る面へ誘導し、同行援護従業者は自分から遠くなっている側の視覚障害者の方の手や腕などを元々握られている腕で背もたれから導く形をとります。
そして、触れられている視覚障害者の腕を座る面に誘導していきます。
また、すでに視覚障害者が座ろうとしている場合は、バランス等を崩してケガをする事がないように見守りながらサポートします。
また、椅子の前方にテーブルがある場合は、ぶつからないように配慮し、実際に椅子やテーブルに触れて貰う事で安全面を確保するようにします。